トレイルランニングで「スピード」を求めるなら、アシックスのフジスピード(FUJISPEED)シリーズは外せません。軽量でありながら反発力と安定感を兼ね備え、舗装路とオフロードのどちらでも快適に走れる万能さが魅力。この記事では、そんなフジスピードの特徴や履き心地、最新モデルの違い、実際の口コミまでを詳しく紹介します。
フジスピードとは?アシックスが誇る“スピード特化型トレイルシューズ”
アシックスの「FUJI」シリーズは、山岳やグラベルなど不整地を走るトレイルランナーのために開発されたライン。その中でも「フジスピード」は名前の通りスピードに特化したレーシングモデルです。
ロードのような軽快な走りを山道でも再現できるよう、推進力と軽さのバランスにこだわって設計されています。
一般的なトレイルシューズと比べると、ミッドソールにプレートを内蔵し、反発力を強化している点が特徴。厚底化が進む最近のトレンドを取り入れつつも、地面をしっかり感じられる接地感を残しており、「スピードを出しやすいのに怖くない」と評判です。
ミッドソールとプレート構造:推進力を生み出す心臓部
フジスピードの核となるのが、アシックス独自のクッション材「FF BLAST PLUS」と、フルレングスで内蔵されたPEBAXプレートの組み合わせです。
FF BLAST PLUSは柔軟性と反発性の両立を狙った素材で、着地時には柔らかく沈み込み、蹴り出しでエネルギーを弾き返すような感覚が得られます。
さらに、PEBAXプレートが足裏全体に配置されているため、蹴り出しの力を効率的に前方へ伝え、スピードを維持しやすい構造になっています。
このプレートはロードシューズのようなカーボンではなく、トレイル対応の弾性素材を採用。下り坂や不整地でも過剰な反発が抑えられ、安定した着地をサポートします。
「下りでスピードを出しても怖くない」「平地ではロードシューズのように軽快に走れる」といったレビューが多く、推進力と安定性のバランスが高く評価されています。
グリップ性能とアウトソールの工夫
トレイルランでは滑りにくさも重要です。フジスピードはアシックス独自の「ASICSGRIP」アウトソールを搭載し、4mm前後のラグパターンで設計されています。
乾いた砂利道や硬めの山道、ロード区間では高いグリップ力を発揮。一方、ぬかるみや濡れた岩場では多少滑るという声もありますが、「万能タイプの中では安定感がある」との評価が主流です。
実際に使用したランナーからは、「濡れた木道でも不安はなかった」「上りでしっかり地面をつかんでくれる」といったポジティブな感想も多く寄せられています。
グリップ力とスピード性能の両立を求める人にとって、フジスピードはかなり完成度の高い選択肢といえるでしょう。
アッパーとフィット感:軽さと安定性の両立
アッパーは薄くて軽いウーブン素材を採用。摩耗や引っかきに強く、枝や岩が多い山道でも安心感があります。
ただし伸縮性はあまりなく、足を包み込むようなホールド性が強め。下りや横方向の動きで足がぶれにくく、安定した走りをサポートします。
履き口とヒールカウンターも適度に硬く作られており、着地のたびに足がシューズ内でズレることを防止。
「甲のフィット感が高い」「足に吸い付くような履き心地」といったレビューが多い一方で、幅広や甲高の人からは「少しタイト」という意見も見られます。
試着の際には、いつものサイズよりハーフサイズ上を検討する価値があるでしょう。
重量とスペック:軽量でレースにも対応
フジスピード4(最新モデル)の重量は約250g(27〜28cm基準)。この軽さでありながら、トレイル対応のクッション性と安定性を両立しているのが特徴です。
ヒール高は約40mm、前足部は約35mmで、ドロップは5mm前後。地面をしっかり感じながらも脚への衝撃を和らげ、長時間のランでも疲れにくい設計になっています。
この数値は、ロード用の厚底レーシングシューズに近く、実際に「舗装区間ではロードシューズのような走り心地」という意見が多く見られます。
軽量で反発力が高く、スピードランナーに向いたスペックです。
モデルごとの進化:フジスピード3と4の違い
旧モデルのフジスピード3は、FF BLAST PLUSとカーボン系プレートを組み合わせた初期完成形で、反発感と快適性のバランスに優れた万能モデルでした。
一方、最新のフジスピード4では、ミッドソールが二層構造になり、PEBAXプレートも改良。下層が柔らかく上層が硬いことで、衝撃吸収と安定感がさらに向上しています。
また、アウトソールのラグ形状も刷新され、より推進力を生かした走りが可能になりました。
デザイン面では、よりシャープで洗練された印象になり、ロードからトレイルまで違和感のない見た目も人気です。
「前作より軽く、反発が強い」「スピードを出したときの安定感が増した」といった声が目立ち、シリーズの完成度が年々高まっていることがうかがえます。
実際の口コミから見る評価ポイント
フジスピードを愛用するランナーの口コミをまとめると、次のような傾向があります。
良い評価
- 軽くて反発があり、トレイルでもスピードを出しやすい
- アップダウンが多いコースでも安定感が高い
- ロード区間での走りが快適
- クッション性が十分で脚が疲れにくい
- コスパが良く、トレーニングとレースの両方に使える
やや気になる点
- 濡れた路面では滑ることがある
- アッパーがややタイトで、幅広足には窮屈
- 長時間走ると足裏に硬さを感じる場合がある
- 技術的な山岳トレイルには不向き
総じて、スピード重視のトレイルランナーからは高い支持を得ており、「速く走りたい」「ロード区間も楽しみたい」人にはベストマッチの1足といえます。
フジスピードが向いているランナー像
このシューズが特に合うのは、以下のようなタイプのランナーです。
- トレイルレースやスピード練習で高強度の走りを求める人
- ロードとトレイルをミックスして走る機会が多い人
- 軽さと反発を重視し、推進力で走り抜けたい人
- レース用のトレイルシューズを探している中〜上級者
逆に、「のんびりジョグしたい」「柔らかい履き心地を好む」「岩や泥が多い山岳コース中心」という人には、クッション性重視の別モデル(例:アシックス フジライトシリーズ)を検討するのがおすすめです。
まとめ:アシックス フジスピードは“速く走りたいトレイルランナー”のための一足
フジスピードは、トレイルランにおける「スピード」と「安定性」を両立させた、アシックスの技術の結晶ともいえるモデルです。
軽量で反発力に優れ、舗装路からトレイルまで幅広く対応。上りも下りも力強く走り抜けたい人に最適です。
一方で、快適性や柔らかさを最優先する人にとっては少し硬く感じるかもしれません。
それでも、「レースで1秒でも速く」「トレイルでロードのように走りたい」と願うランナーにとって、フジスピードは理想的な相棒になるでしょう。
高性能でありながら価格も手頃で、アシックスらしい信頼感があるフジスピード。これからトレイルレースに挑戦したい人や、スピードアップを狙う経験者にこそ、一度試してほしい一足です。
アシックスのフジスピードは、スピードランナーに向けた革新的なトレイルシューズ。
その軽さと反発力、そしてアシックスならではの安定性を、あなたの次のトレイルでぜひ体感してみてください。


