ランニングシューズを選ぶとき、「クッション性」と「履き心地」で迷う人は多いですよね。そんな人に長年支持され続けているのが、**アシックスのニンバスシリーズ(GEL-NIMBUS)**です。
名前の「Nimbus」はラテン語で“雲”を意味し、「雲の上を走るような履き心地」を目指して設計されたクッションシューズ。その誕生は1999年と古く、25年以上の歴史を持つロングセラーです。今回は、最新モデルを含めたニンバスシリーズの魅力を、実際の履き心地や特徴からじっくり見ていきましょう。
ニンバスシリーズとは?雲のようなクッションを追求したアシックスの名作
アシックスのラインナップの中で、GEL-NIMBUSは「プレミアムクッション」モデルとして位置づけられています。
「ニュートラルランナー向け」に設計されており、過度なプロネーション(足の倒れ込み)を補正しない自然な履き心地が特徴です。
ミッドソール(靴底の中央部分)全体に柔らかな素材を使用し、着地の衝撃を吸収しながら、ふわりとした反発で次の一歩へと導きます。
長距離ランナーはもちろん、「ランニング初心者」「ウォーキング中心の人」「立ち仕事が多い人」など、足への負担を減らしたい人からも人気です。
ニンバスシリーズのテクノロジー進化
長い歴史の中で、ニンバスシリーズは毎年のように進化を遂げてきました。ここでは、近年のモデルで採用されている主な技術をわかりやすく紹介します。
FF BLAST PLUS ECOフォーム
最新のニンバスには、FF BLAST PLUS ECOというクッション素材が使われています。これは従来よりも軽く、柔らかく、反発性もアップした新素材。さらに、サトウキビ由来の再生素材を約20%含んでおり、環境にも優しい仕様です。
軽量性とソフトなクッションを両立させることで、まさに“雲の上を走るような”感覚を実現しています。
PureGEL(ピュアゲル)テクノロジー
アシックスといえばGEL。その進化形がこのPureGELです。従来の可視化されたGELパッドではなく、ミッドソール内部に組み込まれた新素材。
衝撃吸収力はそのままに、従来よりも約65%ソフトで10%軽量。着地時の衝撃をよりなめらかに分散してくれます。ヒールからの着地が多いランナーには特に効果的です。
エンジニアードメッシュアッパー
アッパー(甲の部分)には、部位ごとに通気性や伸縮性を調整したメッシュ素材を採用。足を包み込むような柔らかさと通気性を両立し、長時間履いても蒸れにくいのが特徴です。
ベロや履き口にはストレッチ素材を使い、足当たりの優しさを感じられる仕上がりになっています。
GEL-NIMBUS 25:シリーズを刷新した転換点
2023年に登場した**GEL-NIMBUS 25**は、シリーズの転換点と呼ばれるモデル。
それまでのGELを刷新し、FF BLAST PLUS ECOを採用したことで、クッション感が飛躍的に向上しました。
履いた瞬間に感じるのは「包み込まれるような柔らかさ」。ソールが厚くなったことで、足全体を下から支えてくれるような安心感があります。
長距離ランやウォーキング、さらには立ち仕事にも最適で、「一日中履いていても疲れにくい」との声も多数。
その反面、ソフト過ぎると感じる人もおり、「反発が弱くスピード練習には向かない」という意見もあります。
ただ、リカバリーランやゆっくりしたジョギングには抜群の快適さを発揮します。
GEL-NIMBUS 26:より安定した履き心地へ
2024年のモデル**GEL-NIMBUS 26**では、25の特徴を引き継ぎながら、より安定性を強化。
アウターソールのパターンが改良され、接地時のグリップ力と安定感がアップしています。
特にかかとから前足部への体重移動がスムーズになり、長距離でも安定した走りをサポート。
アッパーのニット素材も進化し、足をやさしく包み込むようなフィット感に。
ランニングだけでなく、ウォーキングや通勤用のシューズとしても評価が高いモデルです。
GEL-NIMBUS 27:最高峰のクッションを求めるなら
2025年モデルとして登場した**GEL-NIMBUS 27**は、まさに“究極のソフトライド”。
FF BLAST PLUS ECOとPureGELの組み合わせはそのままに、ミッドソールの厚みをさらに増し、より深いクッション感を実現しました。
走るというより、“浮かぶように進む”感覚に近いと評されることも。
長距離やリカバリーランには最適で、膝や腰への負担を極力減らしたい人に特におすすめです。
一方で、反発性や軽快さを求めるランナーには少し重く感じられるかもしれません。
しかし「足を守る」「疲れにくい」という観点では、シリーズの中でも最高レベルの快適性を誇ります。
ニンバスシリーズの魅力と他シリーズとの違い
アシックスには、メタスピードやノヴァブラストなど、個性豊かなランニングシューズが並びます。
その中でニンバスが特別なのは、「足をいたわる快適性」に徹底している点です。
- 長距離でも膝や腰が痛くなりにくい
- ゆっくり走っても気持ちよく進める
- 日常使いでも自然に履けるデザイン
こうした特徴から、ランニング上級者だけでなく、初心者やウォーカー層にも広く支持されています。
また、ニンバスは「ニュートラルタイプ」であるため、足の動きを自然に保ちたい人に向いています。
オーバープロネーションが強い人は、安定性重視のカヤノシリーズとの併用もおすすめです。
どのニンバスを選ぶべき?用途別おすすめ
選び方の目安を簡単に整理すると以下の通りです。
- GEL-NIMBUS 25:軽さと柔らかさのバランスが良く、初心者・ウォーキング中心の人に最適。
- GEL-NIMBUS 26:安定感を求める人、長距離ランナー、足への負担を減らしたい人におすすめ。
- GEL-NIMBUS 27:最高のクッション性を求める人。膝や関節のケアを重視する人にぴったり。
どのモデルも「長時間履いても疲れにくい」という点は共通しており、普段使いにも十分対応できます。
特に最近は、シンプルで洗練されたデザインが多く、街履きスニーカーとしても人気が高まっています。
履き心地の印象まとめ
実際の使用感をまとめると、次のような特徴があります。
- クッションは非常にソフトで沈み込むような感覚
- かかとから前足部への移行が滑らかで、自然な足運び
- 通気性が高く、長時間履いても蒸れにくい
- 静かな着地音で、室内ランやトレッドミルにも向く
- ソールが厚めで視覚的にも安定感がある
反対に、スピード練習やテンポ走などにはやや不向き。
それでも、「足を守る」「疲れない」という点で他モデルより優れています。
ニンバスが長く愛される理由
アシックスのニンバスシリーズが25年以上続く理由は、単なる機能性だけではありません。
履いた瞬間に「安心する」感覚、そして日々のランや歩行を支える“心地よさ”が、多くの人に共通して響いているのです。
最新モデルでは、環境配慮素材の採用や軽量化など、時代に合わせた進化も見逃せません。
「最新が最良」という言葉がぴったりなほど、世代を重ねるごとに完成度を高めています。
アシックスのニンバスシリーズ比較まとめ
ランナーにとって、シューズ選びは走りの質を左右する重要なポイントです。
その中で、**アシックスのニンバスシリーズ**は「足を守る」ことに最も特化したモデル。
軽快さやスピードよりも、快適性・安定性・持続性を重視したい人に理想的な一足です。
最新のGEL-NIMBUS 27は、これまで以上に柔らかく、包み込むような履き心地で進化しました。
走っても歩いても、日常のどんなシーンでも快適に過ごせる――それがニンバスシリーズ最大の魅力です。
雲の上を歩くような、やさしい一歩をあなたの足にも。


