テニスを始めて少し慣れてくると、「オムニ用」「クレー用」「オムニ・クレー兼用」といった表記に迷う人が多いはず。特にアシックスのテニスシューズはラインナップが豊富で、どれを選べばいいか悩みどころです。
この記事では、オムニとクレー、それぞれの違いや特徴、そしてあなたに合う一足を選ぶためのポイントをわかりやすく解説します。
オムニとクレーって何が違う?
まず前提として、「オムニ」と「クレー」はテニスコートの種類です。
- オムニコート(砂入り人工芝):日本で最も多いタイプ。人工芝の上に砂がまかれていて、滑りやすく、足腰への負担が少ないのが特徴。
- クレーコート(土のコート):ヨーロッパやプロツアーでも使われる本格派。滑りやすいが、足に優しく長いラリーに向いています。
コートの表面が違えば、シューズに求められる性能も変わります。
滑り方、止まり方、砂の絡み方——こうした要素がプレーの質に直結するため、アシックスでも「オムニ・クレー用」や「クレー専用」など、用途ごとにモデルを分けています。
アシックスのオムニ・クレー用シューズの特徴
アシックスの「オムニ・クレー用(OC)」モデルは、両方のコートに対応するよう設計されています。特徴を見てみましょう。
1. ソール(靴底)のパターン
オムニ・クレー用シューズの最大の特徴は、ソールの溝の形です。
細かいヘリンボーン(V字)パターンが採用されており、砂をかき出しながら適度にグリップするよう設計されています。
この形状により、
- 滑りすぎない
- 砂が詰まりにくい
- 止まりたいときにしっかり止まる
といった動作が可能になります。
「GEL-GAME」シリーズなどの人気モデルにも、この構造が採用されています。
2. グリップとスライドのバランス
オムニ・クレーでは、ただグリップ力が強ければ良いわけではありません。
砂の上では“少し滑る”こともプレーの一部であり、適度にスライドできることが重要です。
アシックスのOCモデルは、滑りたい時に滑り、止まりたい時に止まれるバランスを追求しています。
3. 耐久性と通気性
オムニコートは砂が多いため、シューズ内部に砂が入りやすい環境です。
そのためアッパー部分には、通気性と砂の侵入防止を両立させた素材が使われています。
また、サイドの補強材が厚めで、横方向の動きにも強い構造です。
クレーコート専用シューズの特徴
一方で、「クレー専用」モデルは、より土コートでのプレーに特化しています。
1. 深く刻まれたソールパターン
クレー専用ソールは、オムニよりも細かく深いヘリンボーンパターン。
土や砂を逃がしながらも、滑る量を細かくコントロールできます。
これにより、ストップ時の安定性が高く、特にラリー中のスライディングコントロールが抜群です。
2. 高い安定性とホールド感
クレーでは足場が崩れやすく、バランスを崩すリスクがあります。
そのため、アシックスのクレー専用モデルは足首周りのホールドが強めで、横方向へのサポート性を重視しています。
スピードプレーよりも、安定して長くラリーを続けたいプレーヤーに向いています。
3. 耐摩耗性の高さ
クレーでは摩擦が少ない代わりに、細かい砂や泥が靴に入り込みやすい。
アシックスのクレー専用モデルはその点を考慮し、ソール素材の耐久性や接着部分の強度が高められています。
どっちを選ぶ?あなたに合うシューズの選び方
ここからは、プレースタイルや環境別にどちらを選ぶべきかを整理します。
■ オムニ・クレー兼用を選ぶべき人
- 練習コートがオムニ中心だけど、たまにクレーでもプレーする
- 一足でどちらのコートも使いたい
- コスパや汎用性を重視したい
- ライト〜中級レベルで、そこまで激しいスライドをしない
日本の一般プレーヤーの多くは、このパターンに当てはまります。
実際、アシックスのOCモデルは日本市場で最も売れているタイプです。
「GEL-RESOLUTION」「COURT FF」「SOLUTION SWIFT」など、人気シリーズにもOC仕様が用意されています。
■ クレー専用を選ぶべき人
- クレー(土)のコートでプレーする機会が多い
- ラリー中心でスライドを多用する
- 長時間プレーしても安定感を保ちたい
- 上級者や大会志向で、パフォーマンスを最優先する
クレー専用モデルは、グリップとスライドのバランスを細かくコントロールできるため、上達を目指す人には特におすすめです。
オールコート用はどうなの?
「オールコート(AC)」と書かれたモデルもよく見かけます。
これは“どのコートでも使える”という意味ですが、万能ゆえの妥協もあります。
- ソールはハードコート向けに作られていることが多く、オムニやクレーでは滑りすぎる場合がある。
- グリップパターンが浅めのため、砂が多いコートでは安定感が下がる。
- 頻繁にオムニでプレーする人には、やや不向き。
ただし、「週末だけプレーする」「いろんな施設で試合をする」「屋内ハードも使う」という人には便利です。
一足で全部をまかなうなら、アシックスのOCモデルか、摩耗に強いACモデルのどちらかを選びましょう。
コート別に履き分けるのが理想
もしテニスを本格的に続けていくなら、**「コートに合わせてシューズを使い分ける」**のが理想的です。
- オムニやクレーでは「OC」または「クレー専用」
- ハードコートや屋内では「オールコート用」
ソールがコートに合っていないと、
・グリップが効きすぎて足を痛める
・滑りすぎてブレーキが効かない
・ソールが早く摩耗する
などのトラブルが起きやすくなります。
アシックスのテニスシューズはコートごとにラインナップが明確に分かれているため、購入前に「OC」「AC」「CLAY」などの表記をしっかり確認しましょう。
日本のコート事情とシューズ選びの現実
日本の屋外コートの多くはオムニコートです。
そのため、アシックスも国内モデルでは「オムニ・クレー兼用」が主流。
ただ、屋内施設や大会レベルではハードコートが増えつつあり、環境に合わせた選択がより重要になっています。
「昔はオムニばかりだったけど、最近はハード中心」という人も増えており、状況に応じた柔軟なシューズ選びが求められています。
メンテナンスも忘れずに
どんなシューズを選んでも、砂や土が付着したままではグリップ性能が落ちます。
プレー後はソールの砂をブラシで落とし、通気性を保つようにしましょう。
特にオムニ・クレー用はソールの目が細かいため、詰まった砂を放置すると劣化が早まります。
まとめ:アシックスのテニスシューズはオムニとクレーどちらが良い?
結論として、
- 週末プレーヤーや初心者には「オムニ・クレー兼用(OC)」
- クレー中心や上級者には「クレー専用」
が基本の選び方です。
日本のコート環境を考えると、OCタイプが最も実用的。
ただし、プレーの頻度や目的によっては、専用モデルの方が長期的に見てコスパが良くなるケースもあります。
アシックスはどのモデルもフィット感と安定性に定評があり、どのタイプを選んでも安心してプレーできます。
ぜひ、自分のコート環境とプレースタイルを見直して、最適な一足を選んでみてください。


