アシックスは本当にダサいのか?意外と根強いイメージの理由
「アシックスのスニーカーってダサいの?」
そんな疑問を持つ人は少なくありません。特にSNSや口コミでは、「運動靴っぽい」「おじさんっぽい」といった意見が散見されます。日本を代表するスポーツブランドでありながら、ファッションとしての評価が二極化しているのがアシックスの特徴です。
背景には、「学校指定の靴」や「部活動のシューズ」という記憶がある人が多いことが挙げられます。子どもの頃からアシックス=体育館シューズという印象が強く、街中で履くと“学生時代の延長線上”に感じてしまう人が多いのです。
また、アシックスのスニーカーは機能性を最優先して設計されているため、ソールが厚く、デザインもどちらかというと実用的。その「本気のスポーツ仕様」が、ファッション用途では“やや浮く”と感じられることがあります。
ただし、これは裏を返せば「本格的で信頼できる」ことの証でもあります。つまり、アシックスがダサいとされる要因は、“真面目すぎる機能美”が誤解されている側面もあるのです。
「ダサい」と言われる3つの主な理由
1. スポーティすぎるフォルム
アシックスのスニーカーは、ランニングシューズをルーツに持つモデルが大半。軽量性や通気性、クッション性を追求する中で、デザインはどうしても「運動靴らしさ」が残ります。
この特徴が、きれいめファッションやモード系コーディネートには馴染みにくく、結果として「スポーツ感が強すぎる」と言われがちです。
2. 昔の通学靴イメージ
世代を問わず、「アシックス=学生時代の靴」という印象が根強く残っています。特に若い世代にとっては「中学生みたい」「体育教師っぽい」と見られることも。そのため、ファッション目的で履くと“懐かしさ”よりも“古臭さ”が勝ってしまうケースがあります。
3. ロゴの主張が強い
アシックスのシンボルである「アシックスストライプ」は、ブランドの象徴である一方、派手に見える場合もあります。ファッションではミニマルデザインが好まれる傾向があるため、ロゴの存在感が“やりすぎ”と感じられることもあるのです。
一方で「アシックスはおしゃれ!」という再評価も増加中
ここ数年、アシックスの評価は明確に変わりつつあります。特にファッション業界では、「機能美×レトロ感」の融合が高く評価されています。
・海外ファッションシーンでの再評価
欧米では「レトロランニング」や「ダッドスニーカー」ブームの中で、アシックスが再注目されています。
代表例は「GEL-KAYANO 14」「GEL-1130」など。かつては“おじさん靴”と言われたモデルが、今ではファッション誌やストリートスナップに頻繁に登場するようになりました。ニューヨークやパリのセレクトショップでも扱われ、アシックスは“逆輸入的おしゃれブランド”へ変貌しています。
・ストリート×スポーツの融合トレンド
近年は“アスレジャー”や“テック系ファッション”の流行もあり、スポーツブランドのスニーカーが再評価されています。アシックスはその中でも履き心地とデザイン性の両立が注目され、機能美がむしろファッション性として受け入れられる時代になっています。
・コラボレーションによるファッション化
Kiko Kostadinov、Vivienne Westwood、Andersson Bellなど、ハイファッションブランドとのコラボが増えたことも大きい要因です。これらのコラボモデルはデザイン性が高く、アシックスのイメージを刷新する起爆剤となりました。
おしゃれに見せるためのアシックス選びのコツ
アシックスは“選び方”と“コーディネート”次第で一気に垢抜けます。ここでは、街履きに最適なモデル選びと着こなし方を紹介します。
1. デザイン性の高いモデルを選ぶ
街履きに向いているのは、GEL-KAYANO 14、GEL-1130、GEL-SONOMA、GEL-NYCなどのライフスタイルライン。
これらはランニング由来ながらも、カラーリングや素材にファッション性を加えたモデルで、機能とデザインのバランスが良好です。
逆に、競技用の「METASPEED」「MAGIC SPEED」などはデザインがストイックすぎて、普段着に合わせるのは難易度が高めです。
2. 落ち着いたカラーを選ぶ
派手な蛍光色やスポーティなブルーよりも、グレー、ベージュ、オフホワイト、シルバーなどの中間色が街に馴染みやすいです。最近のトレンドである“シルバースニーカー”は、アシックスの得意分野でもあります。
3. ボリューム感を生かす
アシックスのスニーカーはソールに厚みがあるため、細身のパンツやショート丈のボトムスと相性抜群。全体のシルエットをAラインまたはYラインで整えると、足元のボリュームがバランスよく引き立ちます。
4. 「機能美」をファッションとして取り入れる
通気性や軽量性など、アシックスの強みを“デザイン要素”として捉えるのも一つの考え方。たとえばメッシュ素材や補強パーツなどを“スポーティなアクセント”として活かすと、洗練された印象になります。
コーディネート実例:アシックスをおしゃれに履くには
カジュアルスタイル
シンプルな白Tシャツとデニムに、シルバーのGEL-KAYANO 14を合わせる。
これだけで一気に90年代リバイバル感が出て、無骨さと清潔感が両立します。
ストリートスタイル
ビッグシルエットのスウェットやパーカーに、GEL-1130などボリュームのあるスニーカーを組み合わせる。
足元の存在感で全体のバランスが締まり、王道ストリートコーデが完成します。
モードスタイル
黒のスラックスやコートなどモノトーンコーデに、GEL-NYCなどのグレーやシルバー系スニーカーをプラス。
異素材ミックスが生まれ、スポーティ×モードの現代的スタイルに仕上がります。
「ダサい」と「おしゃれ」の境界線はどこにある?
実際のところ、アシックスのスニーカーがダサく見えるかどうかは、「どう履くか」「誰が履くか」に大きく左右されます。
同じモデルでも、コーディネートやシーンによって印象は180度変わります。
SNSでは、「アシックスは履きこなし次第でめちゃくちゃ垢抜ける」「海外ではセンスのある人が履いてる」という声も多く、むしろ玄人好みのブランドとして認識され始めています。
つまり、“昔の運動靴”というイメージに縛られているのは日本国内だけ、と言っても過言ではありません。
まとめ:アシックスのスニーカーは「ダサい」ではなく「誤解されている」
アシックスが“ダサい”と感じられるのは、かつての固定観念や学校生活の記憶によるもの。
しかし実際には、デザイン性・機能性・履き心地の三拍子が揃った優秀なブランドです。
ファッションの世界では、かつて「ダサい」と言われたものが“あえての選択”として再評価される流れが定着しています。
アシックスもその代表格。GEL-KAYANO 14やGEL-1130のように、時代を超えて愛されるモデルこそ“本物の定番”です。
もし「アシックスのスニーカーはダサいのか?」と迷っているなら、答えはシンプル。
選び方と着こなし次第で、アシックスは最高におしゃれな一足になる。
流行に左右されず、自分のスタイルを貫くための相棒として、アシックスを再評価してみてはいかがでしょうか。


