アシックスの靴をネットで買おうとすると、「自分に合うサイズがわからない」と悩む人がとても多いです。特に、足幅(ワイズ)や足囲などを意識したことがない人にとって、サイズチャートの見方は少し難しく感じるかもしれません。この記事では、アシックスの公式情報と靴選びの実体験をもとに、足長・足幅の正しい測り方から、最適サイズを見つけるためのポイントまで、すべて解説します。
足長と足幅(足囲)を正確に測ることがサイズ選びの第一歩
靴選びで最も大切なのは、まず「自分の足を知ること」。そのために必要なのが、足長と足幅の正確な測定です。アシックスの公式ガイドでも、「裸足で、左右両足を測る」ことが基本とされています。靴下を履いたままでは数ミリ単位で誤差が出てしまうため、正確な数値を得るには素足がベストです。
測るときは、肩幅に足を開き、両足に均等に体重をかけた状態で立ちます。壁にかかとをつけ、紙の上に立って指先の一番長いところ(多くの場合は第2趾)まで印をつけます。かかとからその印までが「足長」です。
一方、足囲(足幅)は、親指の付け根と小指の付け根を結ぶように、メジャーを一周させて測ります。この部分は骨が最も張り出すため、靴のフィット感に直結する大切なポイントです。強く締めすぎず、自然なテンションで測ることがコツです。
測定のタイミングも重要。夕方がベストな理由
人間の足は、時間帯によって大きさが変化します。朝よりも夕方の方が、むくみなどで少し大きくなることが多いのです。そのため、アシックスの専門スタッフも「できれば夕方や夜に測ると実際の使用感に近い」とアドバイスしています。特に仕事やランニングなどで日中活動する人ほど、この差が影響します。
また、足長・足幅の左右差にも注目しましょう。ほとんどの人は左右の足で微妙に大きさが違います。靴を選ぶときは、必ず大きい方の足に合わせるのが鉄則です。
アシックスのサイズチャートを正しく読み解く
アシックスの靴には、一般的な「cm表示」だけでなく、「ウィズ(ワイズ)」と呼ばれる足幅の指標が設定されています。これは足囲(足幅の周囲長)に基づいた分類で、標準(Dまたは2E)、幅広(3E)、さらに広め(4E)といった形で展開されています。
サイズチャートを使う際は、まず測定した足長を確認し、次に足囲(mm)の値をチャート上で探します。その数値に最も近いウィズを選ぶことで、自分の足に合ったフィット感を見つけやすくなります。足長が26cmで足囲が255mm前後なら標準、270mmを超えるならワイド、というように目安を立てるとわかりやすいでしょう。
ただし、アシックス自身も「チャートはあくまで目安」としています。同じ26cmでもモデルによってラスト(靴型)の形が異なるため、実際の履き心地に差が出ることがあります。
ワイズ(幅)の違いが履き心地を大きく変える
アシックスの魅力の一つは、足幅のバリエーションが豊富なことです。たとえば、ランニングシューズの定番モデル「ゲルカヤノ」や「ゲルニンバス」などは、標準幅(2E)だけでなくワイド(3E)やエクストラワイド(4E)まで選べます。これにより、幅広・甲高の人でも快適に履けるのが特徴です。
逆に、足が細い人がワイドモデルを選ぶと、靴の中で足が動いてしまい、マメやかかと浮きの原因になります。自分の足幅をきちんと把握したうえで、ジャストまたは少しゆとりを持ったウィズを選ぶのが理想です。
ランニング、通勤、カジュアル——用途で変わる最適サイズ
靴は用途によって“理想のフィット感”が変わります。
ランニングシューズのように足との一体感が求められる場合は、捨て寸(つま先の余裕)を0.5〜1.0cmほど確保したジャストサイズが基本です。大きすぎると足が動いてエネルギーロスになり、小さすぎると爪が当たって痛みが出ます。
一方、ウォーキングや通勤など長時間履く場合は、1.0〜1.5cm程度の余裕をもたせ、快適性を重視したサイズ選びが適しています。特にビジネスシューズやスニーカータイプでは、ソックスの厚みも考慮して選ぶのがポイントです。
「足長=靴サイズ」ではない理由
「自分の足が26cmだから26cmの靴を買えばいい」と思っていませんか? 実は、靴のサイズ表示の“26.0cm”は、靴の内部寸法(ラスト設計)を示しており、足そのものの長さではありません。つまり、実際の足長26cmの人が履いた場合、靴内部には0.5〜1.0cm程度の余裕がある設計になっています。
また、ブランドやモデルによっても「26cm」の基準が微妙に異なります。特にアシックスは他ブランドよりもやや細めの作りといわれるため、ナイキやニューバランスの同サイズよりもタイトに感じる人が多いです。
海外サイズ(US・UK・EU)との換算にも注意
アシックスの海外モデルを購入する場合、US・UKサイズ表記に惑わされることもあります。各国のサイズ表は基準が異なり、同じ「US 9」でも日本サイズでは27.0cm相当と表示されます。しかし、モデルによっては実寸よりも0.5cmほど小さく感じるケースもあります。
そのため、海外モデルを購入するときは必ず「日本(cm)サイズ」で選び、余裕を持ったフィッティングを意識しましょう。特にランニングモデルはラストが細めに作られていることが多いため、普段より0.5サイズ上げるのが無難です。
子ども靴や安全靴のサイズ選びにも応用できる
アシックスはランニングシューズだけでなく、キッズシューズや安全靴でも細かいサイズ設定がされています。子ども靴の場合は、実測の足長に0.5〜1.0cmの成長余裕を足したサイズを選ぶのが基本です。成長期の子どもはすぐに足が大きくなるため、定期的に測り直すことも大切です。
一方、安全靴はランニングモデルよりもアッパーが硬く、つま先に補強材が入っているため、同じサイズでもややきつく感じることがあります。こちらも用途を考慮して、0.5cmほど大きめを選ぶと快適です。
アシックス直営店の「足形計測サービス」を活用しよう
最近のアシックス直営店では、専用の3Dスキャナーを使って足形を立体的に測定できるサービスを導入しています。これを利用すると、足長や足囲だけでなく、甲の高さ、アーチの形状、足の傾きなどもデータ化できます。
このデータをもとにスタッフが最適なウィズやモデルを提案してくれるため、「いつも同じサイズを選んでいるけど、なぜか合わない」と感じている人にとって非常に有効です。もし近くにアシックスの直営店があるなら、一度足を運んでみる価値があります。
オンライン購入で失敗しないためのチェックポイント
- 足長・足幅を裸足で正確に測る
- 左右の足を両方測り、大きい方を基準にする
- 用途に合わせて捨て寸を設定する(ランニング=0.5cm、日常用=1.0cm)
- 足幅(ワイズ)を確認し、2E・3E・4Eなどを選択する
- 初めてのモデルやシリーズはレビューも参考にする
- 迷ったらワイド寄りを選ぶ(特にネット購入時)
これらを押さえておけば、通販でもかなり正確にサイズを選ぶことができます。返品交換の手間を減らすためにも、最初の測定を丁寧に行いましょう。
まとめ:アシックスのサイズチャートを活用して「自分だけのフィット」を見つけよう
アシックスのサイズチャートは、単なる数字の一覧ではなく、「自分の足を知るためのツール」です。足長・足幅・甲の高さなど、自分の足の特徴を正確に把握し、それに合わせて最適なサイズとワイズを選ぶことが、快適な履き心地への最短ルートです。
特に日本人は幅広・甲高の傾向があるため、2Eや3Eなどのワイドモデルを選ぶことで長時間履いても疲れにくくなります。逆に細身の人は、標準ラストでフィット感を重視すると良いでしょう。
最後にもう一度。アシックスの靴選びでは、「足長と足幅を正しく測る」ことがすべての基本です。チャートを上手に活用し、自分の足にぴったりの一足を見つけてください。


