野球を愛する人なら一度は憧れる「オーダーグラブ」。中でもアシックスのグローブオーダーは、品質の高さと自由度の広さで人気がある。この記事では、初めてでも失敗しないアシックスのオーダーグラブの作り方を、実際の流れや注意点、選び方のコツまで詳しく解説する。
アシックスのグローブオーダーとは？世界に一つだけのグラブを作る楽しみ
アシックスのグローブオーダーは、既製品にはない自由度の高さが魅力だ。ポジション別の基本型を選んだあと、革の種類やウェブ形状、紐やステッチの色、刺繍などを細かくカスタムできる。まさに「自分だけの理想のグラブ」を作るプロセスそのものが、野球ファンにとって特別な体験となる。
オーダーできるラインは「ゴールドステージ」シリーズを中心に展開されており、硬式・軟式いずれにも対応。ショップや販売店を通して注文し、メーカーが一から製作してくれるため、完成までにおよそ1〜2か月かかるのが一般的だ。
ただし、オーダー品は基本的にキャンセルや仕様変更ができない。色や型を決める段階での判断が仕上がりを左右するため、事前にイメージを明確にしておこう。
ステップ1：まずは基本モデルを決める
オーダーを始める最初のステップは「基本モデル選び」。これは単にデザインではなく、ポジションや守備スタイルに合った捕球性能を決める重要な選択だ。
- 投手用：シルエットが大きめで、ボールの握りを隠しやすいバスケット系ウェブが人気。しっかりした芯と深めのポケットが特徴。
- 内野手用：軽くてコンパクト。Hウェブやクロスウェブなど、素早い送球に向く浅めのポケットが主流。
- 外野手用：大きめでポケットが深く、編み込みウェブを採用。フライや強打球を確実にキャッチできる仕様。
- オールラウンド用：万能型のバランス設計。草野球や複数ポジションを守る人に向く。
どの型を選ぶかで革の厚さや芯の硬さも変わるため、「どんなプレーを重視するか」を明確にしておくことが大切だ。
ステップ2：革・ウェブ・芯材など細部をカスタム
基本モデルが決まったら、次は素材や構造を選ぶ。アシックスのオーダーでは、細部までこだわれる。
革の種類
高級なステアレザー（成牛革）やキップレザー（若牛革）などが選べる。ステアは耐久性が高く、硬式向け。キップは軽くて柔らかく、手馴染みを重視する人に好まれる。
ウェブ形状
ウェブは捕球面の「窓」にあたる部分で、捕球感や視認性を左右する。投手は編み目の細かいバスケット系、内野手はHウェブやクロスウェブ、外野手は広く編まれたレーシングウェブが人気だ。
芯材と補強
捕球の安定感を左右するのが芯材。化繊芯は軽くて硬く、ウール芯は柔らかく手に馴染む。さらに、捕球面の裏に補強材を追加することで、変形を防ぎ長く使えるグラブに仕上げられる。
ハミダシとレース
縁部分の「ハミダシ」やレース（紐）は、デザイン性と耐久性を決めるポイント。色を変えることでアクセントにもなるが、公式戦では本体と同系色が求められる場合があるため注意が必要だ。
ステップ3：カラーと刺繍で“自分らしさ”を演出
アシックスのオーダーでは、カラー選択の自由度が高い。革、紐、ステッチ、裏革まで別々の色を選べるため、組み合わせ次第で印象が大きく変わる。チームカラーや自分の背番号カラーで統一するのもおすすめだ。
さらに、刺繍オプションを使えば名前やイニシャル、好きな言葉を入れることもできる。フォントや糸の色も選べ、オリジナリティを存分に発揮できる。ただし、高校野球などでは刺繍位置に制限があり、手のひら側の裏革部分のみ許可されていることが多い。大会で使用予定がある場合は、所属チームの規定を必ず確認しよう。
ステップ4：型付けや仕上げオプションも忘れずに
オーダーグラブは新品の状態だと革が硬く、すぐに使うには慣らしが必要。そのため多くのショップでは、完成後に「湯もみ型付け」や「スチーム加工」などのオプションを提供している。
湯もみは手に馴染みやすくする伝統的な加工法で、使い始めから自然な開閉が可能になる。ただし、革の種類によっては色ムラや変形のリスクがあるため、職人の技術に信頼できるショップを選ぶのが重要だ。
また、グラブ袋の刺繍やラベル変更など、完成後の仕上げを選べる店舗もある。こうしたオプションを活用すれば、見た目にも愛着の湧く仕上がりにできる。
納期と価格の目安、注文時の注意点
アシックスのグローブオーダーの納期は通常1〜2か月ほど。繁忙期や工場の稼働状況によっては遅れる場合もあるため、試合や大会のスケジュールに合わせて早めの注文を心がけよう。
価格は仕様によって幅があるが、一般的に軟式で3万円台後半〜、硬式で5〜7万円前後が目安。革のグレードや刺繍、型付けなどのオプションを追加すると、最終的に8万円を超えるケースもある。
注意すべきは「注文後の変更やキャンセルは基本的に不可」という点。イメージと実際の仕上がりが完全に一致するとは限らないため、色味や文字位置など細部まで事前に確認しておこう。
学生野球での使用と規定のチェックポイント
高校や大学の公式戦で使用する場合は、道具に関する規定を必ず確認しておきたい。特に以下の要素は制限対象になりやすい。
- 本体・紐・ステッチの色は同系色で統一
- ハミダシの形状（切ハミ／玉ハミ）の指定
- 表面へのネーム刺繍は禁止、裏革のみ許可
- メーカーラベルの位置やサイズ
違反があると試合での使用を禁止される場合もあるため、注文前に監督や部活顧問に確認するのが確実だ。アシックス正規取扱店では、こうした規定に対応した仕様例も用意されているので、相談しながら決めると安心だ。
アシックスのグローブオーダーを選ぶメリット
アシックスのオーダーグラブが支持される理由は、単なる「カスタム」以上の体験にある。
- 機能性の高さ：ゴールドステージをはじめとした上質な革と設計で、プロからアマチュアまで幅広く対応。
- 自分だけの仕様：型、芯、ウェブ、色、刺繍など細部まで指定でき、世界で一つのグラブが完成。
- 耐久性と使い心地：革の質が良く、しっかり手入れすれば長年使用できる。
- ブランド信頼性：アシックスは日本のトップメーカーとして、製造精度や検品体制が安定している。
特に「既製品ではしっくりこない」「守備位置に最適化したグラブが欲しい」という人には、オーダーグラブが大きな満足をもたらす。
失敗しないためのチェックリスト
オーダーは自由な反面、選択肢が多すぎて迷いやすい。以下のポイントを整理しておくとスムーズだ。
- 使用目的（試合用・練習用・公式戦など）を明確にする
- ポジションに合う基本型を選ぶ
- ウェブと芯材は捕球感を左右するので慎重に
- 色は本体と補助パーツのバランスを見る
- 刺繍位置と内容はルールを確認
- 予算とオプション費用を把握しておく
- 信頼できる販売店を選ぶ
- 納期に余裕を持つ
これらを押さえることで、「思っていたものと違う」と後悔するリスクを減らせる。
理想のグラブを作る喜びと、その先にあるプレー体験
アシックスのグローブオーダーは、単なる道具選びではなく、自分のプレースタイルを形にするプロセスだ。どんな捕球感が欲しいのか、どんな色で自分を表現したいのか。選択を積み重ねていくほど、完成したグラブへの愛着が深まる。
届いた瞬間の高揚感、初めて手にした時の革の香り、キャッチボールで馴染んでいく感触。それらはオーダーした人だけが味わえる特別な体験だ。
長く使うほど手になじみ、次第に「道具」から「相棒」へ変わっていく。その瞬間こそ、アシックスのグローブオーダーの真価が現れる。
アシックスのグローブオーダーで、自分だけの理想を形にしよう
グローブを“買う”から“作る”へ。アシックスのグローブオーダーは、自分のプレースタイルを可視化できる最高の方法だ。ポジションに合わせた設計、革の質感、色のこだわり、そしてネーム刺繍まで。細部にまで魂を込めて作り上げた一つの作品は、あなたのプレーを支え続ける相棒になる。
これからオーダーを検討しているなら、まずは理想のグローブ像を思い描いてみよう。
「どんな形で、どんな色で、どんな音を鳴らしたいか」。
そのイメージを形にできるのが、アシックスのグローブオーダーの最大の魅力だ。
