スニーカーを買うとき、「いつも通りのサイズを選んだのに、なんかキツい…」そんな経験、ありますよね。
特にアシックスとナイキの靴でこの違和感を感じた人は多いはず。どちらも人気ブランドなのに、同じサイズ表記でも履き心地がまったく違う――その理由を、実際のレビューや靴作りの背景から徹底的に解説していきます。
アシックスとナイキでは“サイズ表記の基準”が違う
まず知っておきたいのは、「サイズの基準そのものがブランドによって違う」ということ。
アシックスは日本発のブランドで、日本人の足の形や実寸をもとにサイズを決めています。靴の中で“足がどう収まるか”を重視して設計されており、「足長（かかとからつま先までの長さ）」や「足幅」「甲の高さ」を考慮しているのが特徴です。
一方、ナイキはアメリカ生まれのブランド。グローバル基準の木型（ラスト）を使用しており、足幅が細めで、欧米人の足型を想定していることが多いです。
そのため、同じ「27.0cm」と書かれていても、アシックスの方が“ゆったり”、ナイキの方が“タイト”に感じるケースが多いのです。
アシックスのサイズ感：実寸重視で“足に優しいフィット”
アシックスは日本人向けの設計をしているだけあって、「幅広」「甲高」にも対応しやすいブランドです。
靴内部のスペースがしっかり確保されており、長時間歩いても足が窮屈になりにくい。特にランニングシューズは、つま先に少し“捨て寸”と呼ばれる余裕を持たせて設計されています。
この「捨て寸」があることで、指先が靴の先端に当たらず、快適に走ることができます。ウォーキングや普段履きでも、アシックスの靴を履くと「自然にフィットする」「締めつけ感がない」という声が多いのも納得です。
ただし、モデルによっては“ジャストすぎて小さめ”に感じることもあります。レーシングモデルや軽量化を優先したシリーズは、フィットを重視してタイトに作られているため、0.5cm大きめを選ぶ人も少なくありません。
ナイキのサイズ感：細身でスマート、けれどタイトに感じやすい
ナイキは全体的に「スリムでシャープ」なデザインが多く、足幅が細い人や欧米型の足に合いやすいといわれます。
特にエアフォース1やエアマックスなどの定番モデルでは、アッパーの形が細身なため、「普段履くサイズでは少しきつい」と感じる人も多いです。
一方で、近年のナイキはワイド設計のモデルも増えてきています。たとえばランニング用のペガサスシリーズやインヴィンシブルなどは、従来よりもアッパーが柔らかく、足幅にも余裕があるデザイン。
それでも全体的には「同じ27cmでもナイキの方が小さく感じる」と言われる傾向は根強く残っています。
ナイキを買うときは「0.5cm～1cm上げる」とちょうど良い、という意見も多く見られます。
ただし、これは足幅やモデルによって異なるため、できれば試着するのが理想です。
同じサイズでもフィット感が違う“構造的な理由”
「同じサイズ表記なのに、なんでこんなに違うの？」と思うのは当然の疑問。
その理由は、靴づくりの根本にある「木型（ラスト）」と「サイズ表示の考え方」にあります。
木型（ラスト）の違い
アシックスは日本人の平均足型に合わせた“幅広・甲高”設計。足がしっかり収まる安心感を重視しています。
ナイキは“細身でスマート”なラストを採用し、見た目のスタイリッシュさとホールド感を優先しています。
サイズ表記の違い
アシックスは「靴の内側の長さ＝実際に足が入るスペース」を基準にcm表記。
ナイキは「木型の長さ」や「靴外寸」に近いサイズ表記を採用するケースが多いため、同じ27cmでも内部スペースに差が出やすいのです。
捨て寸の考え方
アシックスはつま先に約5〜10mmの余裕を想定して設計。
ナイキはタイトフィットを狙って、捨て寸を少なくする傾向があります。
結果として、アシックスは“少しゆったり”、ナイキは“ジャストもしくはタイト”という履き心地の違いになります。
サイズ選びに迷ったときの基準
実際にネットで買うとき、試着できない分、サイズ選びは悩みのタネですよね。
そんなときは次のポイントを参考にすると失敗しにくくなります。
- アシックス：普段通りか、フィット重視モデルなら0.5cmアップ
- ナイキ：普段履きより0.5〜1cmアップが目安
- 足幅が広い人：ワイドモデル（2E〜4E表記）を選ぶ
- 細身の足：レギュラーモデル（DやB）でジャストを狙う
- つま先の余裕（捨て寸）は5〜10mmが理想
また、厚手の靴下を履く季節や、長時間歩く用途なら、少し余裕のあるサイズを選んだほうが快適です。
モデル別で変わる！同ブランド内でも異なるフィット感
覚えておきたいのは、「同じブランドでもモデルによってサイズ感が違う」ということ。
アシックスでも、たとえばゲルカヤノやノヴァブラストなどのランニングシューズは、ホールド感を重視してタイトめ。
一方で「ウォーキングシューズ」や「タウンユースモデル」は、ゆとりのある履き心地です。
ナイキでも、「エアフォース1」は厚底でややゆったり、「エアジョーダン1」は甲が低くタイト、「ペガサス」シリーズは伸縮性があり快適、など同サイズでも感覚がまるで違います。
つまり、ブランド名だけで判断せず、シリーズごとの傾向を知って選ぶことが大切です。
サイズチャートを信じすぎない！足の実測を知ることが第一歩
多くの人が「いつも27cmだから今回も27cmでいいや」と思って購入しますが、実はここに落とし穴があります。
靴のサイズ表はあくまで目安であり、メーカーによって換算基準が異なります。
特にナイキのような海外ブランドでは、USサイズやUKサイズから日本サイズに変換する際に微妙な誤差が生じやすいのです。
そのため、最も確実なのは「自分の足の実寸を測る」こと。
紙の上に足を置いて長さと幅を測り、「足長」と「足囲」を知るだけでも、自分に合うサイズ選びがぐっと正確になります。
もし店頭に行けるなら、アシックスの直営店などで行っている「足形測定サービス」を利用するのもおすすめです。
どっちがいい？足型別のおすすめブランド
足のタイプによって、どちらのブランドが合うかが見えてきます。
- 幅広・甲高タイプ：アシックスの方が快適。足全体を包み込む安定感がある。
- 細身・甲低タイプ：ナイキの方が自然にフィット。スリムな木型が相性◎。
- ファッション重視：ナイキ。デザイン性が高く、シルエットが洗練されている。
- 機能性・快適性重視：アシックス。日本人の足形に最適化された履き心地。
どちらが“正解”ということではなく、自分の足型と使用シーンに合う方を選ぶのがベストです。
サイズ感の違いを理解して、後悔しない靴選びを
アシックスとナイキのサイズ感の違いは、単なる“感覚”ではなく、靴の設計思想そのものが異なるために生まれます。
アシックスは「日本人の足実寸に基づく安心のフィット感」、ナイキは「スタイリッシュな木型によるタイトなホールド感」。
どちらも優れたブランドですが、同じサイズ表記でも履き心地が違うのは当然といえます。
自分の足の形を理解し、ブランドやモデルの特性を踏まえて選べば、失敗はぐっと減ります。
次にスニーカーを選ぶときは、単なる“cm表記”ではなく、“足に合うサイズ”を意識してみてください。
その一手間が、毎日の快適さを大きく変えてくれます。
アシックスとナイキのサイズ感の違いを理解して、自分に合う一足を選ぼう
同じサイズでも履き心地が違うのは当たり前。
大切なのは、「自分の足」と「靴の設計」を正しく理解することです。
アシックスの優しいフィット感、ナイキのシャープなホールド感――どちらも魅力的です。
あなたの足に本当に合う一足を見つけて、毎日の一歩をもっと快適に。
