「スピードで抜き去りたい」
「一歩目の反応で勝負したい」
「それでいて、足はちゃんと守ってほしい」
そんなわがままを全部詰め込んだようなシューズが、このEGOZARU RIKU 1です。シグネチャーを務めるのは、Bリーグの若きスピードスター瀬川琉久選手。彼のプレースタイルと哲学が、ソールのパターンからシュータンの言葉に至るまで、これでもかと刻まれています。
初めて手に取ったとき、まず驚くのがその軽さ。27.0cmで約369g。数字だけ見ると「まあ軽いよね」で終わるかもしれません。でも実際にコートで履くと、その感覚は段違いです。足首周りの余分なパッドを削ぎ落としたローカット設計が、足そのものが軽くなったような錯覚を起こさせます。
特筆すべきは、日本人の足をここまで真剣に研究したラストだということ。海外ブランドのシューズでありがちな「横幅がキツい」「甲が当たる」というストレスから、ほぼ解放されます。幅はEとEEの中間くらい。典型的な日本人の足幅なら、すっと包み込まれるようなフィット感を得られるはずです。
そしてグリップ。これが一番の衝撃かもしれません。
踏み込んだ瞬間、「キュッ」というより「ピタッ」と床に吸い付く感覚。特に横方向へのストップ性能は、他にちょっと記憶がないレベルです。カッティングで切り返す瞬間、床を噛んで離さない。この安心感があれば、もっと鋭く、もっと深く攻め込める。ディフェンスでも、相手のフェイクに振られる恐怖が減ります。
ただ、正直に話しますね。縦方向のグリップには、少しだけクセがあります。
特に履き始めは、急なストップでほんのわずかに滑るような感覚が残ることも。でもこれは、数回の練習でアウトソールが馴染んでくると気にならなくなるケースがほとんどです。アウトソールにあしらわれた「85」の刻印が、コートとの摩擦で少しずつ削れていく頃には、あなたの足の動かし方にもマッチしてくるでしょう。
クッション性能についても包み隠さずお伝えします。
搭載されているのは、独自開発の高反発フォーム「EGO DOOON」。ミッドカットやハイカットのように厚みで衝撃を吸収するタイプとは、根本的に思想が異なります。これは「膝や腰への負担を徹底的に減らしたい」というよりは、「コートの感触を足裏で感じて、一瞬速く動き出す」ための設計。実際、ジャンプの着地時に膝が少し悲鳴を上げそうだと感じる方もいるかもしれません。もしあなたが体重が重めだったり、膝に不安を抱えているなら、その点は考慮すべきポイントです。
でも、もしあなたが「接地感」という言葉に心が踊るタイプなら、このシューズは間違いなく応えてくれます。薄底だからこそ伝わってくるコートの硬さや、踏み切る瞬間のダイレクトな反発。それはまるで、裸足に高性能なソールだけを貼り付けたかのような、原始的なスピード感です。
シューレースを締めているとき、ふと目に入るシュータンの言葉にも、ただならぬ気合を感じます。
「お前のシューズとして コートで爪痕を残せるか」
こんなメッセージ、毎回プレー前に読まされたら、自然と気合が入るに決まってますよね。
ここで、気になるサイズ感について整理しておきます。
「普段よりハーフサイズ上げた方がいい」という声をよく見かけます。確かに、実寸で選ぶと最初はかなりピタッと感じるでしょう。でも、薄いシューレースをぎゅっと締め上げる前提で設計されているため、足長に余裕がありすぎると今度は中で滑る原因になります。可能であれば試着がベスト。難しいなら、普段アシックスやミズノで選んでいるサイズを基準にすると大きく外しにくいです。
カラーバリエーションも、ただの選択肢以上の魅力があります。
- Prove PINK: 瀬川選手の情熱を象徴するピンク。コートで絶対に埋もれない。
- WHITE×Prove PINK: 白ベースに差し色のピンク。どんなユニフォームにも合わせやすい。
- WHITE×SILVER: 光沢がシックで、クリーンなイメージを好むプレイヤーに。
- GOLDEN PACK: 特別感あふれる豪華なカラー。見つけたら即決したい限定感があります。
どの色を選ぶにせよ、問題は「そもそも買えるのか」問題です。
はっきり言って、EGOZARU RIKU 1はいつも品薄です。限定生産のため、公式オンラインストアで発売開始と同時に完売するサイズが続出します。狙っているなら、ブランドの公式SNSや取り扱い店舗の入荷情報を、普段からマメにチェックしておく必要があります。定価18,700円という価格は、この軽量性とグリップ性能を考えればコスパは高い。だけど、リセールでプレ値になっているケースもあるので注意してください。
実際にプレーした周りのプレイヤーの口コミを見ると、「スピードタイプの選手にはドンピシャだが、パワーでゴリゴリ押したいセンターには不向き」というのが大方の意見です。特に、部活やサークルで週に何度も激しい練習をする学生よりは、試合で一瞬の輝きを求める競技者や、社会人リーグでスマートに動きたいベテランの方が、その真価を引き出しやすいかもしれません。
最後に、こんな人にこそ、このバッシュ RIKU 1を履いてほしい。
「重いシューズにストレスを感じている」
「横の動きで相手を置き去りにしたい」
「足幅が合わず、海外シューズを諦めてきた」
これらのどれか一つでも心当たりがあれば、このシューズがあなたのバッシュ観を変える可能性は大いにあります。
試合の最初のワンプレー、その一歩で相手の逆を突くために。
今日も誰かが、RIKU 1のソールに刻まれた想いとともに、コートへ踏み出しています。


