「まだ元気だけど、そろそろ身の回りのことを整理しておかないと、息子や娘に迷惑をかけるかもしれない」
そう考えると、何から手を始めていいのか、少し気が重くなることもあるでしょう。
この記事では、同じように感じているあなたのために「終活 70代 男性 やることリスト」を具体的にまとめました。ひとつひとつ、ご自身のペースで進めていきましょう。
なぜ70代男性の終活が大切なのか
70代は、人生の締めくくりを意識し始める大切な時期です。仕事をリタイアし、時間に余裕ができた今だからこそ、自分の人生と真摯に向き合えるタイミングでもあります。
終活と聞くと、どうしても「暗い話」「残りの人生の準備」と考えがちです。でも、本当はそうではありません。終活の本質は、残された家族に負担をかけないための「思いやりの整理」であり、自分がどう生きたいかを見つめ直す「これからの人生を豊かにする活動」なのです。
特に男性は、女性に比べて人付き合いの範囲が限られがちです。定年を機に会社以外のコミュニティがなくなり、気がつけば家にこもりがち、という話もよく聞きます。趣味や友人との時間を大切にしながら、少しずつ身の回りを整えていくことが、安心した日々への第一歩になります。
70代男性がまず取り組むべき終活の基本ステップ
「終活」と一口に言っても、幅が広すぎて何から手をつければいいか迷いますよね。まずは、この基本的な3ステップを心に留めておいてください。
- 頭の中にあるモヤモヤを「見える化」する
- 自分の気持ちや希望を誰かに「伝える」
- 物理的なモノやデジタル情報を「整理する」
いきなり全部やろうとすると疲れてしまいます。まずは、頭の中を整理することから始めましょう。この後、具体的なリストを用意しましたので、上から順に、できそうなことから取り組んでみてください。
【分野別】終活 70代 男性 やることリスト
ここからが本題です。70代男性が取り組むべき終活を、5つの分野に分けてリスト化しました。チェックリストのように使ってみてください。
お金と相続に関すること
お金の話は、家族でもなかなか切り出しにくいものです。しかし、ここを明確にしておくことが、残された家族にとって最大の「迷惑をかけない」ことに繋がります。
- エンディングノートの作成:まずは市販のエンディングノートを一冊用意しましょう。資産状況だけでなく、緊急連絡先やお世話になった方のリストなど、思いつくままに書き込んでみてください。
- 相続の棚卸し:預貯金、有価証券、不動産、借入金など、自分が持っている財産と負債をすべてリストアップします。
- 遺言書の準備:相続でもめる可能性がある場合や、法定相続人以外に財産を渡したい場合は、公正証書遺言の作成が安心です。
- 生前贈与の検討:年間110万円までの贈与税非課税枠を活用するなど、専門家に相談しながら早めに進めることをおすすめします。
- 保険の見直し:死亡保険金の受取人や金額が適切か、今の生活状況に合っているかを確認します。不要な特約がついていないかもチェックしましょう。
医療と介護に関すること
もしもの時に、自分の意思が伝えられなくなるかもしれません。そうなる前に、あなたの希望を明確にしておくことが、家族の判断の負担を大きく減らします。
- 延命治療の意思表示:「リビングウィル」を作成し、延命治療を望むかどうか、望まない場合の具体的な処置について考えをまとめ、家族やかかりつけ医に伝えます。
- 介護の希望を整理:要介護状態になったとき、自宅で過ごしたいのか、施設に入りたいのかを考えます。介護保険
- かかりつけ医との関係強化:健康状態をよく知る医師がいると、いざという時にスムーズです。定期的に受診し、相談できる関係を築いておきましょう。
- 臓器提供の意思確認:臓器提供の意思表示カードや健康保険証への表示について、自分の考えを整理します。
デジタル情報に関すること
今の時代、これが意外と大きな問題です。通帳や印鑑のように目に見えない財産だからこそ、きちんと整理しておかないと、家族がアクセスできずに困ってしまいます。
- PC・スマホのパスワード管理:銀行のオンラインバンキング、証券口座、クレジットカード、サブスクリプションサービスなどのログインIDとパスワードをエンディングノートなどにまとめます。
- デジタル遺産の整理:有料で利用しているオンラインサロンやクラウドサービス、ポイントサイトなどをリストアップし、退会や解約の方法も明記しておきます。
- SNSアカウントの対応:facebookやX(旧Twitter)、LINEなど、亡くなった後のアカウントの扱い(削除するのか、思い出として残すのか)を決めておきます。
- スマートフォンのロック解除方法:ご自身のスマートフォンのパスコードやパターンを、信頼できる家族だけがわかるように伝えておきましょう。
家やモノの整理に関すること
長年住んでいると、家の中にはたくさんの「思い出」と「モノ」が積み重なります。一気にやろうとせず、「今日はこの引き出し一つ」と決めて、少しずつ進めるのがコツです。
- 断捨離の実践:「いつか使うかも」は「もう使わない」ことがほとんどです。まずは明らかなゴミから手をつけ、一年間使っていない服や趣味の道具などを手放すことを検討しましょう。最近では、片付けのプロに依頼するという選択肢もあります。
- 思い出の品の整理:写真や手紙など、感情が動くものは最後に回します。本当に大切なものだけを選び、収納ボックス一つ分にまとめるなどルールを決めて整理します。
- 実家の片付けと処分:もしご実家に誰も住まなくなっているなら、その処分方法も大きな課題です。売却、賃貸、更地にするなど、選択肢を早めに調べておきましょう。
- 遺品整理の事前指示:もしもの時に備え、価値のあるもの(骨董品や貴金属など)や、処分してほしいもののリストを作っておくと、残された家族が本当に助かります。
葬儀とお墓に関すること
自分の送り方について、あなたの希望を明確にしておきましょう。家族が迷わず、あなたらしい見送りをしてくれるはずです。
- 葬儀の希望を明確に:家族葬を行いたいのか、一般葬なのか、あるいは直葬を希望するのか。お別れの会の有無や、宗教者を呼ぶかどうかなど、具体的な希望をまとめます。
- お墓の準備:先祖代々のお墓を継承するのか、新しく永代供養墓を検討するのか、散骨や樹木葬という選択肢もあります。費用面も含めて比較検討しましょう。
- 遺影に使う写真を選ぶ:お気に入りの写真を、普段着の笑顔のものから選んでおくと良いでしょう。用意しておくと家族が葬儀の準備で慌てずに済みます。
- 葬儀費用の積み立て:葬儀には思ったより費用がかかります。葬儀費用の準備や、互助会への加入なども検討してみてください。
終活を充実した日々に変える生き方のポイント
ここまでリストを見てきて、「やることが多すぎる」と感じたかもしれません。焦る必要は全くありません。終活は「死の準備」ではなく、「今をより良く生きるための活動」だからです。
例えば、断捨離をしていたら、若い頃に集めていたレコードが出てきて、昔の仲間と久しぶりに集まるきっかけになった、という話もあります。エンディングノートに趣味のことを書きながら、「そういえば、前から俳句を始めたかったな」と思い出すこともあるでしょう。
大切なのは、孤独に進めないことです。もしよければ、時々で構いません。息子さんや娘さん、あるいは古くからの友人に、「今、こんなことを考えているんだ」と話してみてください。きっと、良いアドバイスをくれたり、一緒に考えてくれたりするはずです。
どうしても一人で抱え込んでしまう、という場合は、お住まいの地域の社会福祉協議会などに相談してみるのも一つの方法です。専門の相談員が、あなたの話を聞いて、適切な窓口を紹介してくれます。
この「終活 70代 男性 やることリスト」が、あなたのこれからの人生を、より安心して、より豊かに過ごすための道しるべになれば幸いです。今日からできること、ひとつから、始めてみませんか。



